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クトゥルフの呼び鈴

CALL BELL of CTHULHU

君の名は。2回目観てきて思うこと。

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一週間ほど前ですけど、『君の名は。』を観てきました。実は2回目の鑑賞です。初回は息子と一緒に行ったのですが、家を出るのが遅くなって、始まって最初のRADWIMPSの曲が終わる頃に入りました。それでもストーリーを理解するのは問題ありませんでした。事前知識が、男と女が入れ替わることくらいだったので、おっとそうくるのか!と、展開の起伏の激しさに翻弄されて、とても面白くはありましたが、なんだか不完全燃焼な部分が残っていたのです。

 

その不完全燃焼部分というのは、主人公である三葉と瀧が、そんなにもずっと互いをよくわからないまま探し続けるほどに、魅かれ合うようになる心の動きが理解できなかった点です。だって奥寺先輩の方が断然魅力的でセクシーだし、とかね。

 

で、なんとも釈然としなかったので、三ヶ月以上経って、もう一度劇場に足を運びました。まだ上映されてるってのが凄いですよね。ちなみに新海監督作品は『秒速5センチメートル』が好きなんですけど、地元の映画館でやってた記憶ないです。観たのはDVDでした。ここからプチネタバレですので長めに改行しておきます。(ところでパンフレット二種ありますけど、読み応えありますね。初回観に行った時は写真の左側のパンフだけだったんですが、売り切れて買えませんでした。)

 

 

 

 

 

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二度目なのでストーリー分かってます。時間軸がずれてるってことも、ティアマト彗星が落ちてくるのも分かっているので、三葉と瀧の心の動きを丁寧に追うことができました。そうすると、お互いが入れ替わっている過程で、確実にお互いが魅かれて合うのが分かるんですよね。なにせ、互いの身体と生活環境にどっぷり入り込んでいくわけですから。日記アプリで入れ替わっている間の出来事を記録し合うのも、なんだか文通してるみたいだし、お互いがお互いのことをどんどん深く知っていくわけです。なので憎まれ口を叩きながらも、心の距離はどんどん近づいていって、それが彗星落下の時にいったんプツンと途切れます。続く奥寺先輩とのデートの日、三葉は涙しますよね。瀧も心ここに在らずで、写真展で飛騨の風景に心奪われてます。奥寺先輩にも今は別に好きな子がいるでしょって言われるし。この時点でお互いの気持ちがお互いの方向にしっかり向き合ってます。

 

その後、連絡が取れなくなった三葉を探しに瀧は糸守の場所を必死で調べますし、奥寺先輩が司と一緒に付いてきますけど、恋愛感情全然なくなってますよね。三葉は涙が流れた後に、自分の気持ちを確かめに、東京に瀧に会いに行きます。(時間軸がずれてるので、瀧には気付いてもらえず、結果勝手に失恋→髪を切る)

 

この辺の二人の心の動きを二度目の鑑賞ではしっかり追えたので、カタワレ時に二人がほんの短い間、会うことができた時、マジックで瀧が三葉の掌に書いたメッセージ、そしてラストシーンでの再会の感動がひしひし伝わってきて、初回の鑑賞より断然心打たれました。さんざん言われている音楽と映像の融合具合もしっかり味わえて、スパークルがかかってるクライマックスのところは素晴らしかったです。うん。

 

初回で絶賛に至った方はちゃんと理解できてたんでしょうけど、僕は理解力いまいちなので、二回目を観てやっとこの作品の何が良いのかが分かったんだと思います。この作品は体の入れ替わりや時間軸のズレの謎を解いて、彗星から街を救うという冒険ミステリーではなく、時間を超えて二人が出会うというファンタジーなんです。だから西暦何年か、3年ズレてることにもっと早く気付かないのがおかしいとかの批判は実はどうでもいいんです。ファンタジーだから。でも僕のiPhoneもトップ画面の目立つところには年号出てないし、高校生って身近な周りのことに夢中で、時事に結構疎いから、3年ズレてても気付かない可能性は十分あるとは思います。そもそも身体の入れ替わり自体がファンタジーなんだから。

 

さて、全然関係ありませんが、ティアマト彗星は自然現象なので、彗星自体には糸守町を滅ぼしてやろうっていう邪悪な意志はないですよね。クトゥルフ神話じゃないですけど、ラスボスが邪悪じゃないと、物語全体が爽やかな話になりますね。『君の名は。』は邪悪な敵みたいな存在が出てこないし(せいぜい三葉の意地悪なクラスメイト三人組くらい)、秒速とかと違ってハッピーエンドだしで、とても爽やかな印象の残る作品でした。興行的にも大成功ですけど、新海監督が今後どんな作品を作るのか、興味深いですね。